Ryosuke Suzuki/ Pay Attention Please
Pay Attention Please!!
人はなぜ見続けるのか
更新
概念:
- Attention: アテンション
- Audience: オーディエンス
- Genre: ジャンル
- Needs: ニーズ
- Format: フォーマット
- Promise: プロミス
- Cycle: サイクル
- Payoff: ペイオフ
- Gap: ギャップ
- Hook: フック
- Ending
- Story
- Stakes: ステークス
000 intro 人はなぜ見続けるのか
─ 仕組み(attention)
010 gap 留まる仕組みは 2 つしかない。待っている(気になる)と、心地いい
020 promise 待っているのは「答えが来ること」。5 種類あり、動画には 2 つ要る
030 cycle 開く、持つ、払う、次を開く。払い方は confirm か surprise
─ 人(audience)
040 format audience は器を名前で知っている。器が約束を運ぶ
050 genre audience は Genre に居る。topic,needs,formats,conventions,figures,trends,place,size
─ 派生の言葉
060 hook 1 秒目に作る最初の promise。3 つの仕事
070 stakes どれだけ気になるか。誇張は本物の範囲で
080 story 人についての outcome。必須ではなく、最大の payoff
090 ending 最後の payoff。覚えられるのは山と終わり
100 trend 期限付きの format。S字のどこで入るか
110 viral,spread 放送されるに値する payoff。連鎖はほぼ無い
─ 付録
900 rules
910 sources 3分野の調査と、ページごとの根拠
920 glossary 英語の用語、日本語の言い直し、使わない語
アテンションの仕組み
人が注意を払い続ける仕組みには、2つしかない。それは、興味と心地よさ。この2つ。
つまり、人は、報われる見込みと、今報われていることに注意を払う。
プロミス
プロミスとは「オーディエンスとの約束」のこと。
例えば、「伏線と回収」、「セットアップとペイオフ」、「フリとオチ」、「貯めと解放」と言われたりする。
Setup で Question をオーディエンスに Open にして、Payoff で Quesiton を閉じる。この一連の流れの単位を Promise。
構成要素
- Question: 約束するもの。オーディエンスが持つ問い。いつ終わるの?どうなるの?成功するの?結論は?どう関係するの?という問い。
- Setup: オーディエンスに Question を植え付けるための瞬間、方法、手法
- Stakes: 答えが来ないと誰が、どれほど困るか。
- Horizon: いつ、Question への答えがペイオフされるか、どこまで待たせるか。
- Payoff: ペイオフ。Question に対しての答え
- Confirm: 予想した通りの答え
- Surprise: 予想と違う答え
- Reframe: このちっこいのが実はジェダイのYodaだった
- Second Layer: 伏線回収。
- Reversal: 実はダースベーダーはお父さんだった。
- Escalation: 期待値超え
- Deflation: 期待値未満
- Early payoff: 先に答えを出して、Question を変える
- Broken: ペイオフしない場合
- Drop: 釣り。問いについて何も答えない
- Cancellation: 問いを消す。夢オチ等
- Postpone: 次回予告。その場で payoff せずに先に伸ばす。興味ある人はコメントして!的な。
プロミスにはいくつか種類、形あるいはパターンがある
プロミスの種類
- Wanting: 欲しい
- Outcome
- Question: どうなる?答えはまだ誰も知らない。作り手も知らない(という体)。
- Horizon: 最後
- Stakes: 上限が高い。「失敗したら何を失うか」で上限が上がる。
- 例: Before After、挑戦、3分クッキング
- Early payoff と相性が良い。先に答えをだして、Question を「How」に変えられる。
- Answer
- Question: 答えは?すでに決まっていることが隠されている。
- Horizon: 最後
- Stakes: 上限は高いが、条件つき。 「答えが自分の行動を変えるか」とか「もう少しで分かりそう」で上がる。
- 例: ランキング、検証結果、正体
- Early payoff と相性が良い。先に答えをだして、Question を「Why」に変えられる。
- Liking: 気持ちよい
- Beat
- Question: 次の拍、ビートは?
- Horizon: 1拍、1ビートごと
- Stakes: 低い。
- 例: ダンス、リズムネタ、カット割り
- 受け手が次を予測できること。予測ができるから、来たときに、payoff が起きる。
- Feeling
- Question: この気持ちは続く?
- Horizon: 毎秒
- Stakes: ほぼゼロ。
- 例: ASMR、風景、ループ
- Person
- Question: この人は次に何をする?
- Horizon: 毎秒
- Stakes: はじめはほぼゼロだが、積み上がる。
- 例: 顔出しの語り、キャラクター
Berridge の研究によると、「Wanting」と「Liking」は、脳科学的には別の領域を刺激すると分かっている。片方が刺激されても、もう片方が刺激されるわけではない。
つまり、アテンションのメカニズムに当てはめるのであれば、この2つの領域に対しての Promise を同時に持つと、アテンションを最大化することができる。それを Two-Promise Rule と呼ぶことにする。
Two-Promise Rule:
- Wanting の Promise で、最後まで open な状態を作る。
- Linking の Promise で、毎秒オーディエンスに payoff し続ける。
オーディエンスがアテンションを払うのは、この2つの合計。だから、2つ必要。
例えば、画面に向かってただ話しているだけよりも、果物を切りながら話している人の方がアテンションが大きくなるのは、これが理由。
サイクル
プロミスにはサイクルがある
- Open: プロミスを立てる。最初の Open がいわゆる、フック(Hook)と呼ばれる。
- Hold: オーディエンスが Question を失わない状態を保つ
- Pay: Payoff する
- Reopen: 同時に、次のプロミスを立てる
ドラマとか映画とかだと、入れ子構造になっていて、Story, Act, Scene, Cut/Shot 等。
リワード
オーディエンスは、リワードが来る見込みと今来ているリワードに対して引き換えにアテンションを支払う。
- Curiosity: リワードが来る見込み。Open な Promise が作る「知っていること、と、知りたいこと」のギャップ。ギャップが大きいければ、Curiosity は大きく、解消された時のリワードは大きい。ただ、Curiosity はU字のカーブを描く。
- オーディエンスが何も知らないこと -> ギャップが 0
- 少し知っていること -> ギャップが最大
- ほぼ知っていること -> ギャップが小さい
- 全部知っていること -> ギャップが 0
- Pleasure: Liking な Promise の Payoff が作るリワード
オーディエンス
ジャンル
ジャンルとは: オーディエンスの集まる単位。ニーズによって形成される。
ニーズは普遍。
構成要素:
- ニーズ: オーディエンスが求めているもの。
- トピック
- フォーマット: オーディエンスが知っている、好むプロミス
- トレンド: 時期で移り変わるプロミス
- 場所: オーディエンスが集まるところ
- 規模: オーディエンスのサイズ
フォーマット
オーディエンスが知っているパターン、フォーマット、形。
そのジャンルでメインストリームなフォーマットは、そのジャンルにおける ニーズ によって決まっている。
フォーマットを構成するもの。
- 名前
- プロミスの組み合わせ
- 終わりで payoff するもの一個、毎秒 payoff するもの一個。
- シェイプ
フォーマットにはパターンがある。
- Before/After:
- Challenge:
- Test
- Ranking/Tier
- Explainer
- Story time
- Reaction
- Day in the life/POV
- Tutorial
- Autopsy/Breakdown
リサーチ
バイラル
バイラル/バズとは、本来は「ウイルスのように人から人に広がっていくこと」を指す。指数関数的に増えていくもの。1人から始まって、連鎖で多くの人に届く。これがバイラル。
しかし、Goel, Anderson, Hofman & Watts(2016)によれば、バイラルが起きたものの大半は、連鎖によるものではなく、ブロードキャストによるものだった。
つまり、一気に多くの人数にブロードキャストしたことによって伸びたものには、連鎖がなく、単純にその人数の多さが理由だったということ。
ただ、プラットフォームによってブロードキャストされるかどうかは、オーディエンスの見る動作によって決まっている。
プラットフォーム
TikTok
- 「フォロワー数と、過去に伸びた動画があるかどうかは、レコメンドには直接的な関連はしない」
- 「フォロワーが多いアカウントの動画は結果としてレコメンドされやすい」
- 最も重要なシグナルは「長い動画を最初から最後まで見たか」
- フィードは意図的に「興味と無関係な動画」を混ぜる。フォロワーが0人でも最初のテスト群に入る。
Instagram Reels
- 「Explore と同じく、見えているものの大半はフォローしていないアカウントから」
- シグナルは順に、
- 行動(何を最後まで見て、保存し、送ったか)
- その投稿者とのエンゲージメントの履歴
- リールの中身(音、映像、人気)
- 投稿者の情報(フォロワー数、エンゲージメントの量)
- 視聴時間が最重要、フォロワー外に届くには「送信」(DM で人に渡す)が一番強く、フォロワー内には「いいね」がやや強い。つまり Instagram は口コミのメカニズムをそのままシグナルに使っている。
YouTube Shorts
- 視聴履歴、検索履歴、登録、満足度アンケート
-「Shown in feed」と「Viewed vs swiped away」。最初のスクリーンで止まって見られたかどうかが 1番目のハードル。
YouTube Long Form
- ホーム(視聴履歴)、次の動画、Shorts feed、検索、通知
- 登録はシグナルの 1 つで、通知はチャンネルあたり 24 時間に 3 本まで、しかも人ごとに送る時刻を変える。だから登録者は「最初のスクリーンの一部」ではあるが、全員には届かない。
- 満足度アンケートを使っていて、「視聴時間だけでなく満足度も」